皮膚病・切り傷、やけど等に効果がある温泉

温泉の効能を見ると、皮膚病や切り傷、やけどなど、皮膚疾患に効果があると書かれてあるのをよく見かけます。温泉は昔から傷や皮膚病、美容も含めて、皮膚にはとても効果があることが知られています。
 
たとえば、水虫であれば、一回温泉にはいるだけで、温泉からあがれば、足の皮が一皮むけてしまうような感じで、これをしばらくつづければ、本当に水虫がよくなっていきます。また、やけどや外傷など、傷跡が残ってしまうように思える怪我であっても、温泉治療によって、傷の跡がきれいに治ってしまうこともあります。
 
さらに、通常の病院の治療では、完治するまでに相当の時間を要する場合でも、温泉療法を取り入れることで、完治までの時間をかなり短縮させることが可能だったり、手術をした場合、術後の傷も温泉によって早くよくなります。このように、温泉は皮膚に関する病気や傷などに大変大きな効果があるのです。

皮膚病や外傷に効能を発揮する泉質としてあげられるのは、硫酸塩泉や二酸化炭素泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、重曹泉、石膏泉、硫黄泉、ボウショウ泉など、たくさんあるようです。古くから「きずの湯」などと呼ばれて親しまれてきた温泉もたくさんあります。
 
これらの泉質がなぜ皮膚の疾患に効果があるのかといいますと、細菌感染などを防ぎ化膿もおさえてくれる効果があるのと同時に、患部の肉芽組織を良好な状態にして皮膚の再生を早めてくれるからです。同時に痛み等も取り去ってくれる効果もあります。
 
特に硫酸塩泉は大変効果があると言われています。硫酸塩泉はには、カルシウムやナトリウム、マグネシウムなどの成分が多く含まれていて、これが傷口の炎症を鎮静化させてくれます。
 
また、硫黄泉も殺菌力が強いので効果が高いと言われています。特にアルカリ性の高い硫黄泉は肌にもやさしいので、とても適している温泉だといえます。硫黄泉は古くなった皮膚の角質を取り除き、新しくしてくれるので、皮膚の疾患だけではなく、美肌効果もあり人気があります。
 
ただ、皮膚が乾燥気味になる高齢者には刺激が強すぎたり、酸性が強いと肌の弱い人には向きませんので、注意しましょう。

本格的に温泉療法を始める場合、短くても2週間以上は入り続けた方が良いと言われています。毎日少しずつ入浴を積み重ねることで、じわじわと効能が浸透していきます。傷の状態がひどい場合は、ある程度症状が治まってから温泉療養するのが良いでしょう。

高血圧・動脈硬化・糖尿病等に効果がある温泉

高血圧や動脈硬化は、食生活や運動不足、飲酒、喫煙など、生活習慣と大きく関係してきます。健康に気をつけたければ、まずは生活習慣を見直すことが大切です。その上で、補助的な役割として、高血圧や動脈硬化の治療や予防のために、温泉療法は有効です。

高血圧や動脈硬化に効果のある泉質としては、単純泉や硫酸塩泉、二酸化炭素泉などがあげられます。単純泉は幅広い効能があり、日本各地にありますから、身近なところで見つけることができると思います。

本格的に高血圧を予防したいのであれば、硫酸塩泉が効果的です。というのは、血圧の上昇を防ぐ効能があるからです。硫酸塩泉に入ることによって、正常値まで血圧を戻し、維持させることができます。

ある実験データによると、水道水のお湯に10分間入ると、血圧は-15mmHg降下します。しかし30分後には元の位置に戻ります。ところが、高血圧に効果があるとされる二酸化炭素泉や硫化水素泉に入ると、血圧は1回の入浴で-30〜40mmHg降下し、なんとその後約12〜13時間にわたり血圧の低い状態が続きます。

余談ですが、二酸化炭素入りの入浴剤は150ppmくらいの濃度ですが、これでも血圧は-27mmHgほど降下し、約5〜6時間持続するようです。

また、石膏泉や二酸化炭素泉と呼ばれるものは、硫酸イオンにより血管を拡張して、血液の流れをよくするので、高血圧予防に効果のあるほか、動脈硬化や糖尿病にも効果があります。ただ、二酸化炭素泉は全国でも数が少なく、とてもまれな温泉です

神経痛・肩こり・疲労等に効果がある温泉

温泉には病気や怪我の症状を緩和する様々な効果があります。その中でも代表的なのが、神経痛や肩こりを緩和したり、疲労を回復する効果でしょう。たとえば、肩こりの大きな原因は、代謝機能が低下して、血の巡りが悪くなってしまうことによって起こるわけですが、温泉に入りますと、体が芯から温まり、血行が促進されますので、肩こりが緩和されるというわけです。
 
さらに調べていきますと、神経痛や肩こり、あるいは疲労回復などに効果がある泉質があることがわかります。代表的なのは、単純泉、塩化物泉、そしてアルカリ性単純泉です。

・単純泉
 
単純泉は温泉水1kg中の溶存物質の含有量が1g未満の温泉のことを言います。含有成分量が少ないので、刺激が少なく肌にもやさしい温泉です。また、温泉独特の色や匂いもあまりありませんので、見た感じ、普通のお湯のように見えます。温泉独特の匂いなどが苦手な人も気軽に入れますし、また、お年寄りや体の弱い方にも優しいというのが特徴です。ゆっくり疲れを癒すには最適な温泉です。
 
効能としては、鎮静効果がとても大きいので、病後の回復、疲労回復、ストレス解消などに効果があります。また、飲用しますと、胃の粘膜に弱い刺激を与える性質があり、これにより慢性胃腸病や便秘に効果があります。さらに、腰痛、関節痛、神経痛、肩こりにも効果があるとされています。
 
・塩化物泉
 
塩化物泉とは、温泉水1kg中の溶存成分が1000mgを超え、そのうちマイナスイオンの主成分が塩化物イオンのものを言います。つまり、その多くは食塩が温泉水中に存在している温泉です。飲めばしょっぱいので、塩分があることがすぐにわかります。
 
塩化物泉には、体を芯から温める効果があります。そのため、血液の循環を良くし筋肉をやわらげます。また、同時に食塩が含まれているので、塩化物泉は汗の蒸発を防ぎ、湯冷めしにくいという特徴があります。これらの高い保温効果により、神経痛や肩こり、疲労回復に効果があるのです。
 
塩化物泉など血行促進の効能がある温泉には、入浴の仕方にこつがあります。それは少し入浴して休憩をはさみます。そして、再度入浴するのです。この短い入浴を何度も繰り返すことで、さらに効果が高まります。
・アルカリ性単純泉
 
アルカリ性単純泉は、pHの数値が8.5以上ある単純泉を指します。アルカリ性単純泉は刺激が少ないので、ゆっくりと入ることができ、神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復などに効果があります。また、同時にアルカリ性が強いので、肌を柔らかくし、余分な脂肪分や老廃物を洗い流して、お肌をスベスベにする効果があり、美肌の湯とも呼ばれています。

・番外編・・・トロン
 
神経痛や肩こりを緩和したり、疲労を回復に効果的な温泉の番外編として、トロン温泉があります。トロン温泉とは、地下水が「トロン」を放射する鉱石の間をくぐり、地底のマグマに温められて、地上に湧出した温泉です。細胞の隅々まで血液の循環が促進され、体の芯から暖まるその保温作用と効能効果は天然温泉以上とも言われます。